竜と剣

創作ものを書いていくかも

創作

幸せな男3

前回 一体何が起こっているのか、これらの球根はなんなのか... 男は慎重にそろそろと一番傍にあった球根の1つに近づいていく。 何故かぞわりとした予感がした。言いえぬ不安。 球根の中で光っている”モノ”の大きさはちょうど大人1人が膝を抱えている程度の…

幸せな男2

前回 男はゆっくりと指を動かし、手を動かし、足首を回してみた。 入念にひとつひとつの動作を、自動車の点検のようにゆっくりと確実に行っていく。 痛みはなく、事故の傷跡のようなものもないようだ。 透明な液体に浸された光る自分の身体。赤ん坊のように…

幸せな男1

その男は何不自由なく暮らしている。 美しい妻、賢い息子と娘。バランスよく充実した仕事と余暇。 何もかもが充実している。不足はない。 男は善良であり、貧しい国の人々を憐み、実際に寄付をすることも多かった。 社会に貢献し、人生を謳歌し、世界が少し…